排泄効果のある食材

身体の中に毒素を浸入させないようにするためには、無農薬や有機栽培の食材を取り入れることが効果的です。それでも、現代社会で生きている限り、有害物質が身体の中に入ってくるのは避けられません。そこで、入ってきた毒素を、食材を使って解毒、排出していくことが必要となってきます。デトックスのための食事法で大切なことは、有害物質を捕まえて毒性を封じ込める食材、有害物質に吸着して排出する食材、解毒作用を高める食材、そして活性酸素を抑える働きを持つ食材を積極的に取ることです。

体内の有害物質を捕まえて毒性を封じ込める食材

水銀、砒素、鉛、カドミウムなどの有害金属が血液に流れ込むと、全身に運ばれてさまざまな悪影響を及ぼします。こうした血液中の有害毒素を捕まえることを「キレート反応」と言います。「キレート」とは「カニのハサミ」という意味の科学用語で、有害物質をカニのハサミではさみこむようにして結合し、体外に排出する働きのことです。
酢やグレープフルーツなどに含まれるクエン酸、ネギやニラなどに含まれる硫化アリル、ニンニクに含まれるアリイン、タマネギ、ブロッコリー、ほうれん草に含まれるケルセチンは、体内に入った有害金属が酸素に触れる前にキレート作用で包みこみ、酸化を防いでくれます。
キレート作用のある食材として最近特に注目されているのは玄米。強い抗酸化作用も持ち、活性酸素の発生を抑えてくれる、デトックスに最適な食材と言われています。

腸内の有害物質に吸着し、体外に排出する食材

血液中の有害物質は、肝臓を通過するときに毒抜きが行われ、胆汁酸から便の中へと排出されます。体内にいつまでも便をとどめておくと、毒素を吸収して身体中に広がってしまう可能性があります。食物繊維は腸内の有害物質を捕まえ、スムーズに排出させる働きがあります。ゴボウ、こんにゃく、レンコン、寒天などの食物繊維は、ダイオキシンなどの排出にも効果的です。また、リンゴなどの柑橘類に含まれるペクチンは、重金属の毒素を最小にする解毒力も持っています。

肝臓の解毒作用を強化する食材

牡蠣やレバーなどの亜鉛を多く含む食材は、肝臓や腎臓でたんぱく質を増やす働きがあります。このたんぱく質は有害物質を閉じ込めて無害化し、肝機能を高めて肝臓を強化してくれます。また、イワシやマグロなどの魚介類、海藻類、玄米や胚芽・皮付きの穀類などに含まれるセレンは、ビタミンEと一緒に取ると酸化防止作用が強まり、水銀の毒性を抑える働きもより強くなります。亜鉛やセレンを含む緑黄色野菜と組み合わせると、毒素の排出に効果的です。セレニウムを豊富に含むラッキョウも、水銀の排出に効果があると言われています。

有害物質による活性酸素を抑える食材

体内に蓄積された毒素は、攻撃性の強い活性酸素を作り出します。老化を早めたり、生活習慣病などの病気を引き起こす活性酸素の発生を抑えてくれるのは、メラノイジンを含む味噌やしょう油。また、ニンジン、ほうれん草、春菊などの緑黄色野菜に豊富に含まれるβカロチンは、活性酸素の害を中和して、動脈硬化を招く血管の悪玉コレステロールの酸化を防いだり、がんの発生を予防したりする作用があります。緑黄色野菜や柑橘類に含まれるビタミンCにも高い抗酸化作用がありますが、激しい運動や喫煙などで活性酸素が大量大発生したり、大きなストレスが加わったりすると大量に消費されてしまいます。なるべくこまめに補給するのがよいでしょう。

これらはデトックスに役立つ食材のごく一部です。デトックスに効果がある食材は、野菜、果物、魚介類、海藻類、豆類などまだまだたくさんあります。単独の食材に偏るのではなく、毎日の食事に幅広い食材をバランスよく取り入れることで、よりデトックス効果を高めることができるでしょう。