腸内洗浄

身体の中にたまった有害物質、つまり毒素を最も排出できるのが排便です。身体には、毒素を排出するさまざまな機能がありますが、その7割前後が便からの排出。便を排出する大切な腸の機能がうまく働かなくなり、長い時間便が腸内にとどまってしまうことを「滞留便」と言いますが、これがよく言われる「宿便」です。宿便がたまってしまうと、消化吸収力が低下し、必要な栄養が取り入れられなくなるばかりか、新陳代謝が悪くなるので基礎代謝も低下。ダイエットしても痩せない身体になってしまいます。宿便は悪玉菌も繁殖させ、毒素を体中に撒き散らしてしまうので、吹き出物など肌荒れの原因にもなります。宿便を排出して腸をすっきりさせ、それから善玉菌を取り入れて腸内環境を整えましょう。

老廃物の固まり、そして毒素の元になる宿便を排出することは、最高のデトックス。そのために有効な方法として最近注目されているのが「腸内洗浄」です。腸内を洗浄することで排泄物を除去し、腸内細菌のバランスを整えてくれます。刺激を与えることで細胞も活性化するので、身体全体の健康と老化防止にも効果があります。

腸内洗浄とは、基本的に肛門からお湯などを入れて腸を洗浄するというものです。といっても、腸全体を洗浄するわけではありません。腸の肛門に近い一部を洗浄しているだけですが、これ以上奥の方まで洗浄するのは苦痛を伴いますし、危険です。肛門付近の腸を洗浄するだけで効果は充分得られます。

腸内洗浄は、大腸の検査を受ける前や人工肛門の方なども行なわれることもあり、通常は病院で行われるものです。 しかし、最近では宿便を排出する効果があることに注目し、ひとつの健康法として広く受け入れられています。腸内洗浄キットなども発売され、自宅で気軽に行うことができるようになりました。 方法をご紹介しましょう。

腸内洗浄方法

1. 容器に38度前後の温かめのお湯を入れる
2. タンクをトイレに吊る
3. チューブからお湯が出るかチェック
4. お尻にワセリンを塗り、息を吐きながらゆっくり肛門にチューブを挿入
5. チューブがお尻に入ったらコックを開き、お湯をゆっくり出す
6. 5分ほどかけて500ccほどのお湯を入れる
7. お湯を入れたら座ったままお腹をマッサージ
8. 3分ほど待ち、出そうになったら排便
9. 4〜5回ほどこれを繰り返す

慣れないうちは500ccも入らないものですが、徐々に慣れていくので、最初は無理をしないで半分くらいの量から始めてもよいでしょう。お湯ではなく、薄めたコーヒーを注入する「コーヒー洗浄法」も注目されています。コーヒーに含まれているカフェインが大腸から吸収されて肝臓に入り、肝臓内で処理された毒素や老廃物の排出をスムーズにするというもの。腸と肝臓の両方の働きを改善するので、よりデトックス効果を高めるといわれています。

ただし、施術の際に直腸を傷つけたり、腸内洗浄がきっかけで腸の感染症を引き起こすこともありますので、充分注意して行うことが必要です。特に、痔や腸に障害がある方は、必ず医師に相談してから始めてください。